苛烈な環境が、他にない魅力と多様性を産む、世界第三位の珈琲王国。

かのクリストファーコロンブスが発見したことから、コロンビアと名付けられた国。
治安がよくないとされる南米でも、コロンビアのその印象はダントツだ。例えば麻薬。アメリカに行くコカインの70%はコロンビア産と言われる。そして暴力。W杯アメリカ大会でも、同国の代表が1次リーグで敗退した時、帰国したキャプテンが、マフィアに銃殺された事件など、あまりにもショッキング。長く続いた内戦が終わったのはつい3年ほど前である。

しかし、コーヒー豆においては、その暗いイメージを覆してあまりある、目が覚める様な抜群の魅力を持つ。赤道直下の地域では収穫期が2回、スペインから独立した19世紀にコーヒーの栽培を始め、今では世界中に輸出し、生産量は世界3位(2017年データ)、世界的にも大きな影響力を持つ産地。

何かと比較される、同じく珈琲大国ブラジルとは、大きな違いが3つある。伝統的な精製方法はウオッシュド、手摘み、そして高地で栽培するエリアが多い。南部では2000メートル超えの馬でしかいけないところも。

そのため、寒暖差が激しい高地の中部や南部の豆には、酸味が特に際立つものが多く、スッキリで、キレがあると評される。反面、ブラジルは甘みがあり、苦みも強いため、コクがあると評されることが多い。まるで矛と盾、ボケと突っ込み。これらの対象的な2つをベースにブレンドする珈琲店も多く、世界の珈琲文化をけん引する両輪ともいえる。

主な産地は、高地で有名な南部のナリーニョ、火山灰等による肥沃な土壌が特徴の中部のウィラ、比較的低地でマイルドな味が特徴の北部はサンタンデール、シエラネバダなど、地域による多様性もバラエティ豊か。火山灰が降り注ぎ、寒暖差の激しい苛烈な環境が特別な香り、目の覚める様な味わいを生みだした。世界的にも美女が多いとも言われるコロンビア、危険な魅力にあふれる同国に、世界中のコーヒーフリークはメロメロであろう。



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