普通でいいじゃない、デフォルトがもたらした、NOTスペシャルな珈琲。

国名がスペイン語で、赤道という意味、まさに赤道直下の国、エクアドル。近年は、経済恐慌、デフォルトに見まわれ、自国通貨の価値が極限にまで下がり、ついに2000年にはUSドルが通貨となった。最近は財政支出の6割を中国の融資で賄うかわりに、産出した石油の9割を中国に買われるなど、大国への依存も激しい国である。が、南米ではアルゼンチン、チリに次ぎ3番目に殺人発生率が低く、治安の面では、住みやすい国である。

カカオやバナナ、そしてコーヒーの生産国としても有名。もしくはそれ以外に強い印象はない。そんな50%が農業に従事している農業国でありながら、農地を所有しているのは1パーセントにも満たない富裕層の地主たち、自分たちで食べるより輸出して儲ける商品を、一般の小作人に作らせる。彼らはその下でただ農奴のように働く、夢のない日々。そのため、海外に出稼ぎにいく人たちも250万人と多い。総人口は1500万人あまり、広島県よりやや少ないGDP。

珈琲については、コロンビアやブラジルほどの特徴はない。が、気候や条件は良い。首都が2,850メートルにあるようなアンデス山脈による山岳国。自然、標高の高い農園が多く、赤道直下ながら朝は寒く、昼は暑い、苛烈な寒暖差のため、味がしまった良い珈琲ができる。赤道直下で、直射日光が強すぎるという難点を、バナナをシェードツリーにすることで、バナナなども輸出可能にする森林農法が根付き、外貨をかせぐに充分な魅力の産品が生まれている。

その主な輸出先は、元宗主国でもあるコロンビア。何故、珈琲大国のコロンビアが輸入をするのか、それは自分たちの良い珈琲は、先進国に輸出し外貨を稼ぎ、エクアドルの安価でマイルドな珈琲を楽しむ。

エクアドルで、唯一異彩を放つのは、本土の西に1000kmのガラパゴス諸島の珈琲。まるで生態系の異なる同島の農園では、標高350メートルと、また趣のことなる珈琲が作られており、これらはダイレクトに、世界の珍しいもの好きなひとたちの間で、その希少性から超高値で取引されている。

反して、本土の珈琲は、そこまでの特徴はない、スペシャルティというには、いたって普通、無個性。そもそも、エクアドル(赤道)とはなんと個性のない国名だろうか。「普通でいいじゃない、生きてるんだから。」そんな声が、レモンやブラックベリーの香りがしない、一杯のコーヒーから、聞こえてくるようだ。



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