マンデリン、ジャワロブ、トラジャ、バリetc。多種多様なコーヒー大国。
インドネシアのコーヒーの説明は難しい。人口は約2億4000万人、国土は西から東に長く、同じ国でも時差が最大3時間あったり、10000ほどの大小の島から成る島国。そのコーヒーの栽培も、地域により大きく異なり、多種多様である。
コーヒーの栽培の歴史はとても古く、イエメン商人の独占支配を崩すべく、1690年頃に宗主国のオランダからジャワ島にアラビカ種が持ち込まれて、栽培が始められた。
ここで育ったアラビカが、アムステルダムの植物園を経由して、1703年、フランスのルイ14世に渡り、アフリカでの植民地での生産につながる。
そしてインドネシアでもその火山の多い肥沃な土壌から、全土の各島々に栽培が広がり、今では世界3位のコーヒー大国。アラビカ種だけでなくロブスタ(カネフォラ種)も栽培される。
アラビカ種は1908年のサビ病の大被害を経て、今では生産の90%が病気に強いロブスタ種。特にジャワ島で作られる「ジャワ・ロブ」は独特の苦味で、ブレンドのアクセントの王道で、世界中にファンが多い。
生産の少ないアラビカ種では、スマトラ島の「マンデリン」が世界的に評価が高く、パーチメントまで剥ぎ取って、精製するスマトラ独自の精製法で、その独特の苦味がありながら、後から来る甘みで、多くのファンを持ち、日本でも特に人気の銘柄である。
スマトラ島の他にも、スラウェシ島の「トラジャ」(日本ではキーコーヒーと現地資本によるトアルコトラジャのブランドで有名)、「カロシ」、バリ島の「キンタ・マーニ」、フローレス島など、各地で素晴らしい品質の、コーヒーが生産される。赤道直下で雨季が二回あることから収穫も年2回。
ただ近年、都市部の成熟に伴う、農村の縮小や、不作により価格も不安定に。
2018年現在も日本では、マンデリンやジャワロブの供給は不安定なままである。
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