政府ゴリ押しの、コーヒー大国。

ホンジュラスと殺人率の高さで一位二位を争う国。それがエルサルバドル。コーヒーハンターの愛称でもおなじみ、元UCCの川島良彰氏の自伝にもエルサルバドルでの死と隣り合わせの出来事が印象的。その国土は四国ほどの広さで、中米ではもっとも小さい国、しかし人口は600万人と人口密度は高め。そんな国にギャングがいっぱい蔓延していることを思うと、今のところ、およそ行きたいと思うことはない。

しかし、政府は観光客誘致に積極的、タスマル、サンアンドレス、そして世界文化遺産登録のホヤ・デ・セレンなど、特にマヤ文明のポンペイとも呼ばれる古代遺跡の整備を、治安強化とともに進めているようだ。そして、火山の麓に位置する首都のサンサルバドルには、数多くの美術館や国立劇場がある。

赤道近くの火山の多い国はたいてい、良いコーヒー産地である。エルサルバドルも小さい国土に20以上の火山があり、火山灰性もミネラル分を多く含んだ肥沃な土壌。また日照量をコントロールするシェイドツリーが栽培され、このシェイドツリーが最終的には腐葉土となり、より天然の良い土壌となる。そして、雨季と乾季がはっきりと分かれていることも、コーヒー豆の栽培にとってまさに最適の土地と言える。

栽培が本格的に始まったのは19世紀半ば。政府主導で共有地の2/3の面積にて、半ば強引にコーヒー豆の栽培が始めさせたが、栽培に適していたこともあり、今は国の経済を支える産業に成長。今も農業生産の3割、輸出額の半分がコーヒー豆であり、人口の3割近くがコーヒー豆の栽培に携わっている。

このように国をあげて強引にでも前に進めるのが、今もエルサルバドル式。エルサルバドル国立コーヒー研究所を設立し、コーヒー豆の品質改良などが行われ、有名なパカマラ種などもここから人工交配された。主な精製方法はウオッシュド。ただ、昨今は流行のハニープロセスなど、国をあげてその進化に邁進している。ギャングに負けず、観光とコーヒーで国を作る、立て直す、そんな意思を感じる国。いつか安心して行けるようになる日が来るのだろうか。



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