フランスでもなく、アメリカでもない、ヴェトナムが誇る珈琲の文化。
19世紀にはフランス支配下の植民地であったことからか、特にサイゴンと呼ばれたホーチミン、或いは首都のハノイなどの町並み、文化には、その名残を色濃く感じる。その苛烈な植民地支配化では、それまでの漢字を廃止し、アルファベットを使ったヴェトナム語表記に移行されるなど、フランス同化政策がとられ、その支配から抜け出したのは、第二次世界大戦後のこと。しかしそこから南北に分かれてのヴェトナム戦争に。
しかし、そこで全盛期のアメリカに勝つこととなる、それがヴェトナムの底知れない力。今は南北統一も果たし、その長い国土は繁栄のターンに入ったようだ。その勤勉な国民性、特に女性はよく働くイメージ、日本にも多くのヴェトナム人が出稼ぎに来ているのを見る。4流大学でふわふわしている日本人の40倍は働く、パワーあふれるひとたち。
そんな同国は日本文化にも多くの影響があり、例えばヴェトナムの街を走り回っているバイクのことを、ヴェトナムではホンダと呼ぶ。それがカワサキのバイクであったとしても。
さて、フランスの支配は苦しい思い出だけでなく、フランスからの食文化ももたらされた。パンや珈琲もそのひとつ。そんなヴェトナムは世界2位のコーヒー産地。そのほとんどがロブスタ種。エスプレッソのブレンドにも使われることの多いため、世界中にカフェやバールで使われている、安定した産地のひとつ。自国ではそんなロブスタの豆を、フレンチローストと呼ばれる深い焙煎で、独特の器具で抽出し、コンデンスミルクなどを大量に入れて飲むのがヴェトナム式。
街中いたるところにあるカフェは、パリのそれとはまた違う。
ヴェトナム人が勝ち取った、独自のコーヒー文化が、全国いたるところに深く根付いている。
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