「うわぁ!タカシマさんだ!」
ちょうど昨日、二人でタカシマさんの話をしてたんですよ、
そろそろ来てくんないかなぁって。
家近いから来てよって電話しようかと思ってたとこ。笑」
お店に入ろうとする私を見つけてそう仰ったのは、
こちらのお店のオーナー 井上さんと
シャイで写真NGな女性店長さん。
こちらは京急本線 北品川駅のすぐ裏にあるビルの2Fにある
自家焙煎珈琲 NORTH STAR BEANS さん
こちらのお店、実は私の自宅近くの為、
いつでもいけると思っていたが、
なんやかんやタイミングが合わず、
約1年振りの訪問となった。
ご開口一番の「うわぁ!」に、その感じが十二分に窺える。
わー、すみません、ちょっと時間が空いちゃいまして…
とか言いながらペコペコ歩きで店内にお邪魔しつつ、
いやー、綺麗なお店に仕上げられましたねー!と、私。
「ありがとうございます。そーなんですよー、
お蔭様でこんな感じでやっています」と井上オーナー。
入った先にあるカウンターにはズラッと並んだ取り扱い生豆。
珈琲豆、めっちゃ沢山並べられていますね、と言うと、
「ええ、NOVOさんとこの豆、ほとんど入れてますから 笑」と。
焙煎機納品時に見た改装前の店内とはガラッと印象が変わり、
とてもスタイリッシュな仕上がりの店内。
(シャイで写真NGな女性店長さん コソ撮り)
「右も左も分からないところからのスタートで、
しかもまだオープンしたばっかりなんですが、
既に自動車メーカーや、女子プロゴルファーからも
オリジナルブレンドの依頼をいただいていたり、
あと、九州や四国、近畿や、東京都内の数か所でも
新たにこの店の出店の計画も立ち上がってきていて、
今色んな話が進んでいっているところなんです」
すごいですねー!としか言いようが無いハナシ。
さらには、お客様の利便性を考え、
事前にスマホからオーダーや決済までできるアプリや、
毎月4種類の珈琲が届くサブスクも展開予定との事。
私の予想を遥かに上回るウルトラスタートダッシュ。
(大変失礼な話)
実際、井上さんにお話しを伺っている最中にも
次から次へとお客様が入ってこられるご盛況ぶり。
豆を購入される方や、カップのテイクアウト、
はじめての方から、リピーターの方まで、
色んなお客様が出入りされている。
駅近で、旧東海道沿いのビルとはいえ、その外観は、
会社の営業所や、学習塾に向いた感じの超シンプルなタイプで、
飲食店が入っているような雰囲気の建物ではない。
しかもお店は路面店ではなく、2階。
それも、入り口には8段の階段があり、
それを上がってからエレベーターに乗り込むという、
ややRPG感が漂う3階チックなロケーション。
(他のメディアでは3階と表示されているところもあった)
重さ190kgの焙煎機を搬入するには正直ハードすぎる案件。
お世辞にも入りやすいお店ではない。
納品時には井上さんにマッチョな方々をお声がけいただき
その方々のパワーでなんとか運び入れていただいていた。
そんな思い出もあり、「ココ、集客、キビシソウ」
とか心の中で思っていたりしたが、
今、私の目の前では、お客様がコンスタントに入店されている。
(見ていた限りでは、女性客 100%)
一体どんなサービスをされているのだろう。
すると、テイクアウトでカフェラテをオーダーのお客様ご来店。
すると井上さんは、「今日はどんな感じのが飲みたいですか?」と。
マイルド系?コク系?ビター系?みたいなやり取りをされ、
オーダーを取り終えると、そこから豆の調合をはじめられた。
接客を終えられた井上さんに話を聞く。
「あー、ウチ、カクテルラテやってるんです。
予めレシピは大体100くらい作ってはいるんですが、
お客様のご要望と、あとはその時の気分で、
毎回配合を変えて、その場で作ってお出ししてます。
だから、こないだの美味しかった、って言われると
どれだっけ?ってなる事もあるんですけど、笑」
あとはその時の気分 て、、、アンビリーバボー。
「アレ?あの時どれお出ししたっけ?」みたいなやり取りを
この後マジでされていた。
(レシピブックらしきものを広げて確認されている御二方)
なんとなく、このマニュアル化されきっていない部分も、
こちらのお店の魅力のひとつなのかも知れない。
杓子定規な対応ではなく、いい意味で属人的な対応、
そこに心地良さを感じられたお客様が
リピートされているような気がする。
聞くと、毎日2~3度ご来店されるお客様もおられるとか。
そして何より、コーヒーのことが大好きで、
お店に立つことをとても楽しんでおられる様子が
バンバン伝わってくる。
「タカシマさんさー、このエロス最高だよねー、
もうエロスにどっぷりハマっちゃってて、
最近エロスばっかりオススメてる。笑
その前はジョーカーでしょ、
その前はオレンジサンシャインばっかりオススメしてた 笑」
誤解の無いようにお伝えすると、これら全て珈琲豆の名前です。
・ブラジル EROS
・コロンビア JOKER
・ミャンマー ORANGE SUNSHINE
これら三種のコーヒー豆は全てNOVOで焙煎する為だけに作られた
AGE of NOVO という、NOVOオーナーしか手に入れられない
スペシャルティコーヒーの、マイクロロットシリーズ。
その中でもエロスが今の旬でらっしゃるようで、
その後もエロス、エロス、エロス、と、エロスという言葉を
私は短時間で一年分ほど浴びさせていただいた。
産地から届く素晴らしい素材と、
MADE IN KYOTO 製の正確な焙煎機、
そしてそこに立つコーヒーを愛する人、
どれ一つ欠けても
素晴らしいお店にはならない。
私は自宅近くのお店で再認識した。
コーヒーは趣向品。
コーヒーを好きな人が、
好きなコーヒーを求めてお店に入るその瞬間、
自然と心は高鳴るもの
そしてそこにはコーヒーが好きで、
人と接する事が好きな人が待っている
だから、RPGのようなルートは気にならない。
むしろそれは、
ワクワクするコーヒーに出会う冒険への入り口。
何度でも踏み入りたくなる場所。
写真・文責:東京支社/ラボセンター 高島
(ダイイチデンシ株式会社)
2023年10月掲載