2020年度 グッドデザイン賞受賞 魅せる焙煎機 α NOVO アルファ・ノヴォ
2020年10月1日、弊社ダイイチデンシ株式会社は自社製造の焙煎機、魅せる自動焙煎機 NOVO シリーズのハイエンドモデル、「α NOVO」(アルファ ノヴォ)において、2020年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。業務用の焙煎機においては日本初の受賞となります。
グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞は、1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。デザインを通じて産業や生活文化を高める運動として、国内外の多くの企業やデザイナーが参加しています。これまでの受賞件数は48,000件以上にのぼり、受賞のシンボルである「Gマーク」は、よいデザインを示すシンボルマークとして広く親しまれています。
審査委員の評価
近年消費者のコーヒーに対する趣味性、専門性への興味は増し、店の個性に注目が集まり市場は活性化している。一方、コーヒーの味を決める焙煎にはノウハウが必要とされ、飲食店などが焙煎機を扱うには障壁があった。このアルファ ノヴォが実現したのは最低8年かかるといわれる焙煎技術を自動化し、店舗内でそれを行うことを可能にしたことだ。しかも筐体デザインはクリーンな印象で焙煎プロセスを魅せることに注力している。アルファ ノヴォは消費者へ視覚的な安心感を与えるだけでなく、新規事業参入への壁を低くすることに貢献した点を高く評価した。
概要
魅せる焙煎機「NOVO」シリーズ は、業務用、主に飲食店オーナー様の為の珈琲焙煎機。最低8年と言われる珈琲焙煎技術の自動化に成功。生豆から焙煎する事で収益UPしながらも、自動化により人件費と教育費をDOWN、本格的な珈琲を手軽に導入できることで、飲食店を収益性が高い、長く続けられるビジネスに再デザインしました。
α NOVO(アルファノヴォ)はその最新型ハイエンドモデル(2021年4月14日発売予定)。店頭でより魅せるスタイリッシュなデザイン、焙煎能力1.5倍増、ユーザーインターフェースを向上させたタッチパネルでの簡単操作、IoT及び専用アプリケーションによる遠隔操作・管理などの最新技術の搭載を実現しました。
デザインのポイント
1、鮮度UP。
工場にある焙煎機を小型化、煙や音が少ない機構で都心の店でも焙煎可、鮮度の高い珈琲を提供。
2、集客UP。
通常見えない珈琲焙煎をガラス管の中で華やかに魅せる。店舗導入時の佇まいを意識した意匠に。
3、収益性UP。
最低8年修業が必要な珈琲の焙煎を自動化、生豆から焙煎することで収益UP、人件費DOWN。
デザインが生まれた理由/背景
2008年、工場の自動装置の製造を長年生業としている弊社はリーマンショックを機にその装置受注が半減。創業半世紀の自動制御技術をいかせる新分野がないか模索中の2009年、大阪の生豆専門商社「日本珈琲貿易株式会社」との邂逅を機に、珈琲の焙煎機に出会います。
そこは焙煎士が最低8年修業し工場や倉庫で黙々と、煙をモクモクと出し火の調節をする職人の現場。それらを見て焙煎を自動化・可視化することで、店頭での花形へと昇華し、飲食店の収益性をあげる製品を開発すれば売れるのではないかときづきます。
長年の自動制御技術の蓄積ノウハウの中、最も自信ある温度の自動制御技術を活かし、以後重要パートナーであり、生豆のプロフェッショナル、日本珈琲貿易株式会社との密な協力も得て、自動珈琲焙煎機「NOVO MARKⅡ 」を自社製品として開発・製造、2012年に販売を開始。
よりリサーチすると焙煎豆は生豆の約8倍の価格で小売販売されており、焙煎は着実に利益を出せる価値の高いプロセスと知ります。カフェは1年で18.9%廃業となる厳しい飲食業界。そこにニーズはありました。店頭で、短時間で焙煎し、魅せて、利益をあげる。そんな新業態を実現する為この製品、デザインは産声をあげました。
デザインを実現した経緯とその成果
弊社は自動装置の製造を生業とし自動制御技術では54年のノウハウを有します。その技術を焙煎機の開発・製造に投入、通常ガスの直火を使い職人が焙煎するところを熱風・電気だけで自動焙煎する「NOVO MARKⅡ」を2012年より販売開始。2014年からの世界的な珈琲ブームの時流も得て、導入店舗300台以上に。その新型機として「α NOVO」を製造・開発しました。
目指したのはより店頭で洗練されたデザイン。焙煎機がまるでエスプレッソマシンの様に、カフェや飲食店の顔となり、新鮮な珈琲や珈琲豆を提供する文化を発信できるように。
折しもCovid-19の最中も、導入店舗様は鮮度の高い珈琲を売りに、その売上は非常事態宣言下でも堅調、多くの飲食店が苦しい中も、STAY HOMEから家庭での珈琲消費量が増加、むしろ売上が向上している店舗もあり、今後より「NOVO」シリーズは、飲食店やカフェに必須となる、オーナーが未来をデザインできる製品になると確信。
現行機「NOVO MARKⅡ」の、店頭で魅せるという点では、国内外でも大好評で数多くの導入実績を積んできましたが、意匠性の高い店においては工業品的な要素が強く、店頭に置くことを敬遠されるケースも少なくありませんでした。最新型のハイエンドモデルとなる「α NOVO」においては、スイッチやネジ等を隠し、要素を削ぎ落しながらフレーム部をシャープに整えることで、全体的にミニマルでライトウエイトな印象に仕上げました。
これらにより焙煎機の構造美を象徴的に見せ焙煎機構に脚光を集めつつ、軽やかな佇まいにより意匠性の高い空間にも合う意匠に。京都発のブランドとして相応しく、世界中のホテル、レストラン、カフェ等に置かれても遜色のない存在感を得たと自負しています。京都から新たな珈琲文化を世界に発信できる製品となりました。
仕様/情報
外寸:630mm(W)×645mm(D)×1950mm(H)
重量:210kg
材質:フレーム(SUS304)、表面カバー(ポリカーボネート)、
焙煎部(耐熱ガラス:軟化点680℃・SUS304:融点:1400℃)
熱源:電気
豆投入口:手動
電源:3相 200V 8kwh (40A)
予定販売価格:4,140,000円(税別)~
2021年4月14日 発売予定。
国内・海外仕様
取得特許番号:
【出願番号】 特願2015-253816
【発明の名称】焙煎装置、及び、これに用いられる温度制御装置
【登録日】 2020/03/23
デザイナー:K creativeworks合同会社 勝沼 潤 、TAIKIDESIGN 中村 泰樹
プロデューサー:ダイイチデンシ株式会社 代表取締役 中小路 通