2025年4月18日



財産を失っても痛手は少ない。健康を失うと痛手は大きい。
勇気を失うと、それこそ取り返しがつかない。
(引用:二重螺旋の悪魔 / 梅原克文)



陳腐な言い方で申し訳ありません。

貴方はもしかして今、冒険に出ようとされていますでしょうか。

ある方はまるでドラクエの主人公のように。やぁここは新宿の街だよ!というだけの人生ではない、と。街の外に一歩を踏み出そうとして。

ある方は、先が見えない競争社会から離脱され、少しの勇気とともに、自分たちだけの新しいチャレンジを始められようとして。

私たちはそんな勇気ある方々を、搾取することなく、心より応援をすることを心がけています。

ちょっと上の人や重要なクライアントの顔色を伺う日々をやめて、自分の足で歩き出されようとされることに、祝福の言葉をお送りします。

そして、運良く、弊社製の焙煎機NOVO、あるいは良質な生豆を販売させていただくみなさまにはひとつ、僭越ながらエールだけでなく、忠告を送らせていただくことが時々ございます。

できればそれを長く続けて欲しい。幸せな道のりであられますように。

そんな祈りをみなさまにも少し共有させていただきたく、少しだけ長い文章をこちらに記します。
特別、重要な話ではありませんので、ご興味の方だけどうぞ。





「地獄の商売」というものがございます。

閑古鳥でお客様がいない?
それはまだマシかもしれません。
お客様がいなければ、商売でもありませんから、ポケっと遊んでいられます。アルバイトさんにとっては天国かもしれませんし、オーナーであれば違うビジネスを考案することもできるでしょう。

本当の地獄とはなんでしょうか。

それは忙しいのに儲からない、価格やサービスの競争がとても激しいビジネスのことだと考えます。恐ろしいことに、世の中には割に普通に溢れています。

見つけ方はとても簡単、多くの人がなりたい、やりたいと憧れる商売。もしそれに一定の規制や資格試験などがなければ、それはもう地獄の商売。

役者、ミュージシャン、youtuber、スポーツ選手、モデル、ダンサー、お笑い芸人、声優、作家、CA、美容師、多くの人がなりたがる、憧れの職業、それはいわゆるレッドオーシャンな、競争が激しすぎるビジネス。

その成功者はほんのひとにぎり。ものすごく運の良いごく一部の人がそれを掴み、無数の屍がその背後にずらりと並びます。

そして、カフェや喫茶店もそんな地獄の商売ではないでしょうか。いつかカフェをしたい、そんな声をチラホラ聞きます。実は私自身も何度か夢想したことがございます。

ラーメン屋さん、パン屋さん、スイーツ屋さんなどの飲食店もそうかもしれませんが、カフェが最も手取り早い印象があります。

手取り早く始めたそれは、地獄の一本道。

そんなデータを見てみましょう。3年で店をたたむのが6割、10年続く店はもはや1割程度、長く続いているだけで、もはやミラクルであることを示しています。

※カフェの6割以上が3年以内に営業終了
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000598.000001049.html

しかし貴方がまだアラサーなら、自分の運やミラクルを信じて飛び込んでみても良いでしょう。得られる経験値からみても、多少の失敗をしてもそれはさほど痛手ではないかもしれません。

ただ、例えば貴方がアラフォーで、ご結婚をされていて、もしお子さんもおられながら、一念発起、たった一度の人生だからと、脱サラをして、カフェ、喫茶店をはじめようとされていたとしたら、できれば致命的な失敗は避けたいところです。

私は2012年に弊社製NOVOを製造・販売しだしてから、何千回、何万回ともなくそんな方々のご相談を受けてきました。そして言い続けてきたことがございます

カフェは地獄のビジネスです。

地獄のビジネスとは?

1 参入障壁が低い
2 やりたい人が多い
3 競争が激しい

ものすごく頑張らないと残れない上に、競合は次々と現れます。競争が激しいためにあまり儲けられません。それをやめたくても惜しまれるお客様がいたりして、限界のラインを超えるまでやめられないのも特徴です。

少し、シミュレーションをさせてください。

あなたは人気のある、街の小さなカフェ。席はカウンター中心で10席ほど。

コーヒー1杯500円で1時間、満席として5000円/h。忙しいです。もしアルバイトさんを雇って、原材料代に家賃と光熱費を引いたら、あなたの手元にはたいして残りません。

しかし、近所にスターバックスやドトールのような巨大チェーン店ができたらもうジリ貧、赤字。イートインスペースのあるコンビニが隣でも競合になるでしょう。そして、もしあなたが身体を壊したらジエンド、これは地獄のビジネスと言えるのではないでしょうか。

あなたが店をたたみ、またやりたい人がそれを居抜きで借りて、次のチャレンジは続きます。


コーヒー豆専門店、はじめませんか?


しかしコーヒー豆専門店はどうでしょう?
カフェと、とても似ています。ですが、実は全然違います。

焼きたてのコーヒー豆を販売し、テイクアウトのみ。そんなスモールビジネス、これが意外と長く続けられます。最初はインターネット販売だけ、なんてことでもいいでしょう。

焼きたてのコーヒーを店頭で販売してくれる店、実はそれはあまりその地域に競合がいない場合が多いです。エスプレッソマシンはよく中古市場に出回りますが、焙煎機はほとんどみかけません。それが答えとも言えるでしょう。

競合が少ない分、サバイバル率は上がります。また星の数ほど出来ては消えるカフェに豆を卸すこともできます。

そうです、カフェは、例えばUCCやキーコーヒーなどの卸もしているコーヒー屋さんから焙煎豆を仕入れて、それを提供するだけで可能、実は世の中はそんなカフェが多いですが、貴方はそんなレッドオーシャンに参入してはいけません。目指すのは、コーヒー豆専門店。

コーヒー豆を販売していて、テイクアウトのコーヒーのみ、セルフで飲めるスペースまではありですが、フルサービスのカフェにはしない方がおすすめです。

おそらく、カフェに来る人はほとんどが空間、ひととき止まり木のような場所を求める人であり、さほどコーヒーに魅力を求めているわけではありません。スターバックスコーヒーもコーヒーではなく、家でも職場でもないサードプレイス、第三の場所を売りにしているのは有名な話です。

あなたのお客様は、むしろ家や職場で、持ち帰ってコーヒーを味わいたいと思う、コーヒーフリーク・珈琲好きではないでしょうか。コーヒーには中毒性があり、その人たちは気に入ればずっと通ってくれます。わざわざお金をかけてスターバックスコーヒーと喧嘩する必要はありません。

ただ、魅力のあるコーヒー豆を提供する。最低でもスターバックスコーヒーより。そのためには、まず焙煎したて、自家焙煎でなければ話になりません。

そのためには、業務用の焙煎機(できればNOVO)を買って、良質な生豆を仕入れて、目利きして、コーヒーにも詳しくならないといけません。

これらは参入障壁となります。実際、ほとんどのカフェオーナーさんは、コーヒー豆専門店になることを躊躇され、UCCやキーコーヒーなどのプロから仕入れられてしまいます。つまりは、自分たちもコーヒーのプロであろうとする覚悟がそこまで持てられていないのかもしれません。

しかしどうでしょう。

少しの覚悟があるだけで、競合がうんと減ります。自分でビジネスをしようと勇気がある貴方にとっては、実はそこまで高いハードルではありません。必要なのはそれを超えようとする覚悟です。

貴方に覚悟はありますか?

もし、なければひとまず、引き返しましょう。
決して、始めてはいけません。

しかしながら、3年もたないカフェオーナーさんはバカ高いエスプレッソマシンをいれてクールな空間を作ることに憧れから、どんどん楽しくなってしまい、ついつい注力し、それのビジネス性までをも精査されず始められてしまいます。例えば、各地の人気のカフェ巡りされて、その目に見える良いところをちょいちょい取り入れられただけのビジネス。

ですが、そんないわばライバルの後追いをして、なんらの新規性もなしに、3年歩むことは厳しく、覚悟なきチャレンジャーのひとりとして、多くの墓標のひとつとなられてしまいます。

しかし、覚悟をもち、そして勇気をもって小さくても生き残る道へと入り込んでみれば、そこは地獄ではなく、リアルに存在できるビジネスに変わります。


コーヒー豆専門店を始めませんか?
そのためのサービスと製品を、私たちダイイチデンシはお出ししています。

1 誰でも自動で焙煎できるNOVO
2 良質でお手頃なスペシャルティコーヒー生豆
3 コーヒー豆専門店を出すための最低限の知識、心構えをアナウンス

これらをあなたにご提供します。

カフェにむしろ焙煎豆を売ることもできる、小さくても、美味しいと誰かを唸らせる、コーヒーブランドを作ることから始めませんか?

浮き沈みが激しいカフェや飲食店ではなく、むしろそこにも最高のコーヒー豆を卸したり、インターネットで販売もできる、そんなお店をした方が長く楽しく、ビジネスができるでしょう。

流行やSNSで一喜一憂する人生は虚しいですが、美味しいコーヒー豆を作り続ける人生はきっと楽しく、価値が高く、ファンのお客様はあなたにきっとその対価を払ってくれるでしょう。そして、そのブランドをずっと愛してくれるかもしれません。

美味しいと評判の珈琲店から焙煎豆を買うのではなく、貴方はあるいは近い将来、そんな珈琲店になれるでしょう。そんなとき、きっとそこには、きっとあなたにしかない何か、例えば個性や世界観、ブランドやストーリーがそこにあるでしょう。

勇気をもって、まずは小さな一歩を踏み出してみる。
そんな冒険に出たら、すこし、自由を得ることができます。

嫌なお客はお断り。嫌な仕事もやらなくて大丈夫、そんな自由。
そして、好きなお客さんにはたくさんの幸せを差し上げる自由。

私たちのショールームに一度、そんなお話をしに来られないでしょうか。
もちろんそれも、貴方の自由です。


ダイイチデンシ株式会社
代表取締役社長 中小路 通