「夫婦で細々と喫茶店をするつもりだったが

 この焙煎機を買ってしまったがばっかりに

 忙しくなってしまった

 どっかから焙煎豆仕入れて

 適当にやってりゃ暇だったんだろうけど

 自家焙煎までしてんだから

 ドリップマシンでコーヒー出す訳にもいかないでしょ

 バイトさんが居てくれないともうここまわんないよ

 こんなのあったらそりゃあ 忙しくもなるわなぁ」

珈琲 松井商店
珈琲 松井商店

生粋の江戸っ子 松井店主。
歯に衣着せぬ感じでチャキチャキと続く。

「同級生が珈琲屋しててさ、
 はじめはどっかから豆買ってやってたみたいなんだけど
 今ではそこに焙煎まで頼まれちゃってさ。笑

 1kg単位で引き受けて焙煎屋業もやってるんだよ。

 やっぱ違うからね、この焙煎機でやると」

ショーケースに入った珈琲生豆

「そもそもはね、
 かみさんがインターネットでこの焙煎機見つけたんだよ、

「こんなのあるみたいよ」って」

焙煎機NOVO MARKII

「俺はネットってのに疎くてね、もうその辺は任せっきり。

 で、その半年後くらいだったかなぁ、

 赤坂でやってた京都展みたいなので
 偶然この焙煎機を見たんだよ、
 で、あれこれ説明を聞いて、決めたんだ。(※1)

 でもね、
 この場所にこれ入れる時はほんと大変だったんだよ。笑

 ここ2階でしょ、階段細いでしょ、
 こんなの持って上がってこれないじゃん」

松井商店入り口

「しかもさ、

 内装してからじゃダメだってことで、
 スケルトンの状態の時に入れてしまおうってことでさ

 外からおっきなクレーンで吊ってさ、
 ここの窓から無理やり突っ込んでさ、

 もう半日がかりで大変だったよ!笑」

松井商店外観

「あ、なんか飲んでく?

 Dazaiでいい?Dazaiで?(※2)

 いいよね!」

松井オーナー ハンドドリップ

ハンドドリップで淹れていただいたDazaiブレンド。

Dazaiブレンドに映る焙煎機

「こんな焙煎機を置いてるくらいだからさぁ
 当然鮮度には拘ってる訳なんだけど、

 ドリップバッグもね、
 はじめはどうかなーって思ってたんだけど
 あれ、ちょっとくらい時間経ってても意外にイケるね、

 よく出てるよ」

ドリップバッグ

「ギフトセットとかも人気だねぇ

 きっとあれだね

 持って行きやすいんだろうねっ。

コーヒーギフト

「今日 電車で来たんだろ?

 帰りに三鷹の駅の中にあるお店も見てってよ!

 このDazaiのドリップバッグ、置いてあっからさぁ」

NIPPONSTANDARD店内風景
(帰り際に三鷹駅内のお店にて許可を頂き撮影。レジ前に並ぶDazaiCOFFEE)

「ケーキは作ってるけどね、ランチは辞めたよ」

手作りケーキ

「焙煎したての珈琲を出す店がなんかが料理出して
 珈琲の香りの邪魔になるのも嫌だし、
 美味しい珈琲お出しするのに、
 食事で満席には出来ないでしょ」

ドリッパー

「でもさ、ほら、このあたりってさ、
 ご飯食べるところないじゃん、
 だからなんか食べさせてってお客さん、いるのよ、

 で、
 においが出ないような食事だけは 選んで出してる。笑」

アイスコーヒーと焙煎機

NOVO MARKIIとの出会いから現状までを
チャキチャキの江戸っ子感たっぷりに語ってくれた松井店主。

帰り際には「これ持って帰ってウチで飲んでよっ」と、
お土産にドリップバッグを頂きました。

色んな思い出話しから

お土産まで…

頂きすぎて、すみません 。

お土産に頂いたドリップバッグ

珈琲 松井商店

※1
TBSテレビ、赤坂サカスで開催された
「Cool Kyoto」という名の、
京都の高い技術や感性などを展示する為に
2013年に開かれたイベント。

※2
太宰治が暮らしていた足跡が多く残されている三鷹市。
前身の松井商店(酒・タバコ店)には太宰治が
買い物にも来ていたそうです。
太宰治の生きた時代をイメージした自家焙煎ブレンドの名が
Dazai COFFEE。

写真・文責:東京ラボセンター 高島(ダイイチデンシ株式会社)
2016年9月掲載