ホッパー部分に生豆を入れたら、
ノールックでゲートを開閉し、
ロースティング部に生豆をドロップ。
タッチパネルに表示される「焙煎開始」のボタンを押す時には
重心はアウトサイドへと移し、次のモーションへ・・・
焙煎機前で焙煎にかけるその作業時間は、
僅か 4秒58。
は、早い、、
そして、流れるような 一連の動作が素晴らしい。
こちらの、かなりの手訓れのスタッフさんがおられるのは、
株式会社スリーエフが運営する
gooz(グーツ)いちょう並木通り店。
店内で焙煎まで手掛ける
新業態のコンビニエンスストア。
入口横にNOVO MARKⅡを設置され、店内で焙煎をされた後、
隣にズラッと並んだデキャンタで淹れ立てコーヒーを取り揃え、
お客様自身が好みのコーヒーを自由に注ぐ 独自のスタイルで、
コーヒーのご提供をされている。
デキャンタ内のコーヒーは、時間管理でアロマをキープ。
ストレートコーヒー、
ブレンドコーヒー、
フレーバーコーヒーなど、
様々な種類のコーヒーが展開されている。
紙コップやミルクや砂糖などが置いてあるコーナーから
必要なものをお客様が自由に手に取り、
カップを片手に、デキャンタが並ぶコーヒーゾーンへ。
デキャンタのコーヒーは、
そのままシングルででも、好みにブレンドしても構わない。
お客様が好みに合わせて チョイス。
皆さん何だか楽しそうにコーヒーを選ばれている。
この面白いスタイルは一体どこから来たものなのか。
gooz事業を統括されている井上さんからお話をお聞きした。
「ルーツはアメリカにあるんです。
この goozいちょう並木通り店 が生まれたのが 2004年2月、
まだコンビニコーヒーと呼ばれるものが無かった時代です。
当時、コンビニが乱立する中で、今後の差別化を考えた時、
アメリカ視察で見た現地のコンビニが、
このスタイルのルーツになっています」
「視察をしたアメリカでは
ガソリンスタンドにコンビニがよく併設されていて、
その店内では、デキャンタに入ったコーヒーを
みんなが自分好みに入れて買っていくんです。
コーヒーを中心に
常連さんと店舗クルーが楽しそうに会話している、
そんなスタイルは、
当時缶コーヒーが主流の日本のコンビニには無く、
新鮮に映りました。
いちょう並木通り店がオープンして月日が流れ、
コーヒーショップも増えて、
コンビニでも淹れ立てのコーヒーが
気軽に飲める時代になりましたね。
いつでも淹れ立てコーヒーが飲める時代、
これから先、さらにコンビニコーヒーの先にあるものは…
そこで店舗改装を機に考えたんです。
焙煎しかない!と。
「goozはコンビニの新業態としてやっていまして、
他のコンビニでは出来ないようなことをやっています。
特に「鮮度」へのこだわりは強く、
お惣菜やお弁当、パンなどは、全て店内で調理しています。
そう考えると店内でコーヒーの焙煎を始めたのは
ある意味 必然的 だったかも知れません」
「goozで新たに焙煎をする方向に決まってからは、
色んな焙煎機屋さんに話を聞きに行ったり、
寡黙な職人さんから焙煎の講習を受けて実際に焙煎をしたり、
色々と焙煎や焙煎機について調べ、学びました。
確か一番最初にNOVOを見たのは、
何かの展示会だったと思います。
でもその時のダイイチデンシさんのブースは、
私たちにとっては場違いのような、
何かちょっと近付き難い雰囲気で、
その時は、ブースに立ち寄らずに、帰りました。笑」
(ダイイチデンシ 展示会ブース 一例)
「でもやっぱり気になって、その後
ダイイチデンシさんのホームページを見てみたら、
すみません、やっぱり不安になりました。
社内でも話題になりましたよ、
この会社ちょっとヤバくないって。笑」
「でも、NOVOの導入事例を見てみると、
しっかりとした大手企業さんまで導入されているし、
国内でこれだけのシェアを持ってて、海外にも出ていってる、
こう見えてもきっと大丈夫な会社なんだろう、、、
とは思いました。
そこで、きちんと話だけは聞いておこうかと
ショールームの場所を調べたら、
場所は渋谷の道玄坂って書いてあって。笑
またそこで若干不安にはなりましたが、
ホームページから見学予約を入れて、行ってみました。笑」
井上さん
随分とぶっちゃけていただいて
ありがとうございます。
確かに展示会やコーポレートサイトに「安心感」というものは、
あまり無かったかもしれません。
徐々にその事に気づき、
そして今、
こちらのホームページがあります。。
もう何を言われても怖くない。
実際に渋谷のショールームにお越しいただいた時の感想も
併せてお聞きした。
(東京ショールーム/ダイイチデンシ東京支社・ラボセンター)
ご見学にお越しいただいた時にも、
何か不安な思いなどされましたか?
「いやいや、それは全然なかったですよ。
あの時に感じたことは今でも覚えているのですが、
アプローチの仕方が他とは全然違うなって思いました。
他の焙煎機屋さんって、
大体は豆の焼き方とか、豆の話から入ってくるんですよ。
まるで、業務用のコピー機や、浄水器の営業のように、
カートリッジを長く売り続けるためみたいに。
でもダイイチデンシさんは、
まず機械の仕組みの話から入ってきたので、
何かこれまでとは違うなって、すぐに思いましたね。
製造メーカーに話を聞きに来てるって感じがしました。
焙煎機のここがこうなってる、ああなってるとかの説明は、
他ではほとんど無かった話ですし。
もう色々と知識をつけてから見学に行っていたので、
NOVOには焙煎のノウハウが構築されているということが
その説明で良く分かりました。
聞きに行って良かったと思ってますよ。
また、コンビニにとって一番深刻な問題は、
人手不足なんです。
焙煎作業に人手を割くというのは、正直厳しいです。
人がつきっきりにならずに、差別化もできて、スタイリッシュ
魅せる焙煎機 という NOVOのコンセプトも、
私たちの考えにピッタリでした」
「加えて、いちょう並木通り店のある場所は、
神奈川県庁などの官庁街となっている日本大通にありますし、
まさかあそこにガス式の焙煎機を置くっていうのは、
ちょっと現実的ではないですよね。
卓上式の小さな電気焙煎機を幾つか買おうかとも思いましたが
逆に場所を取りますし、ちょっと安っぽいですよね。
NOVOだったら場所も取らずにしっかり焙煎できて、
アルバイトのスタッフでも簡単に操作できますし、
これだと思い、NOVOで社内承認を取りました」
「NOVOで焙煎する事が決まって、
NOVOをベースに店舗レイアウトを作成しました。
魅せる焙煎機 っていうキャッチコピーが
この店舗にはピッタリですから。
元々ここの店舗は、入口部分にベーカリーコーナーがあって、
奥側にコーヒーコーナーがあったんです。
外から見るとベーカリーショップに見えるようなイメージで。
そこで、一昨年前の改装で、ゴロッと配置換えをしまして、
最前面にNOVOを配置して、奥側にベーカリーを持ってきて、
コーヒーショップ感を強めに出すことにしました。
でもそのすぐ直後くらいからコロナ禍になり、
色々と大変な時代になりました。
ですが、ここでは順調にコーヒーや豆が売れています。
今ではここで焙煎をしたコーヒー豆を
近くの店舗でも利用も出来ていますし、
その成果もあって、前年よりも好調です」
「夏頃には、gooz平塚PA店の改装が控えていまして、
そちらにもNOVOをお願いすることになりますので、
また、お願いしますね。
平塚PA店では、キャンプや行楽地に向かう方たちに
さらに美味しいコーヒーを提供するのに、
NOVOはピッタリです。
そこではこの円形カウンターの半分くらいになりそうですが、
端にNOVOを置いて、その横に豆を並べて置くもりです」
有難いことに、もう1台受注のお話をいただいた。
今やコンビニは 星の数程ある。
そしてそれは、どこも同じような店ばかり。
ナナチキか、ファミチキか、
正直なところ、私はどちらでも構わない。
むしろ、からあげクン派だ。
しかしここgoozでは、個性的な店作りと、
パンもお弁当も、そしてコーヒーも、
どれもが店内調理で鮮度良く、
オリジナリティに溢れている。
店内調理によってフードロスも抑えられ、
利益を残しやすい体制で運営されておられるからこそ、
この厳しい状況の中でも、
さらなる次の一手を打てるのだろう。
もはやコンビニは、
グーツか、それ以外か。
今から夏が待ち遠しい。
コンビニ業界だけではなく、
高速道路のパーキングエリア内も「焙煎機のある風景」に。
株式会社スリーエフの チャレンジは続く。
写真・文責:東京支社/ラボセンター 高島
(ダイイチデンシ株式会社)
2021年3月掲載