「あの時はルワンダのエクスポーターが沢山来ていたので
 本当に助かりました」

そう話していただいたのは、こちらの
ストーリーライン株式会社 COO 北澤順子さん。

『あの時』とは、弊社も出展していた【SCAJ2018】のことで、
展示会当日、会場で試飲としてで出す予定だったルワンダの珈琲豆が、
直前に生豆の状態で日本に届いた為、
”このままでは会場で試飲に出せない” と、困っておられた。


その時、
ルワンダのコーヒー豆数種類を会場内ですぐさま焙煎し、
試飲配布に間に合わせたのが、そう弊社製の焙煎機、
NOVO MARKⅡだった。

NOVOで焙煎をしたルワンダのコーヒーは
試飲をされた方々から好評だったそう。

※ちなみに、その時の展示会の様子は、ほんの少しですが
下記の画像をクリックしていただくとご覧いただけます。



後で聞くと、ストーリーラインさんは、
自社でSCAJに出展をされていたのではなく、
駐日ルワンダ大使館からの依頼で、
ルワンダ国ブースの運営を任されていたらしい。

ルワンダコーヒーの代表を務められていたとは
なんかすごい話。


現在ストーリーラインさんは、杉並区の西荻窪にある
「西荻プレイス」というコワーキングスペースの1Fにある
メーカースペースと呼ばれるクリエイティブな空間に
事務所を構えられている。





フロアには、3Dプリンターやレーザーカッター等、
コーヒーとは無縁のような光景が広がっているが、





その奥に、ストーリーラインさんのスペースが配置されている。



ここでは、CEOの加藤さん、COOの北澤さん、そして
パートナーのブライアンさんの3人で活動されている。



普段パートナーのブライアンさんは
こちらで、『セカンドストーリーコーヒーロースター』という店名で
コーヒー豆などの販売をされている。

(こちら普段のブライアンさん)



加藤さん、北澤さんのお二人は、
日本の技術をルワンダに持ち込む事に、今全力を注がれている。


その技術というのは、コーヒー豆に含まれるカフェインを除去し、
『デカフェ』や『カフェインレス』と呼ばれるコーヒー豆を作る
『脱カフェイン処理』の技術で
『超臨界二酸化炭素抽出法』と呼ばれるもの。



現在は、この脱カフェイン処理の技術を
東北大学工学研究科と共同研究をされながら、
ルワンダにデカフェの工場を建設する際の実現性や
法令の調査も同時に進められている。

『デカフェ』や『カフェインレス』は、
妊娠中の方やカフェインの摂取を控えられている方に人気があり、
近年その需要はここ日本でも広がってきており
注目を集めている。



デカフェのコーヒーは、通常の珈琲豆に手を加え、
カフェインを抜き取った状態のものが一般的で
その「カフェイン」を除去する方法には、
・有機溶媒による抽出、
・水による抽出(ウォータープロセス)、
・二酸化炭素(CO2抽出法)、などがある。


有機溶媒での処理は最も簡単で一番安価な反面、
健康面で不安があるらしく、日本では禁止されている。

有機溶媒って何ぞや?、で調べてみると、
身近なところではシンナー等に含まれていると書いてあった。
確かに身体には良くなさそう。。



一方で、水で除去するタイプ(ウォータープロセス)のものは、
一旦生豆の成分を全て水に溶かしだし、
その成分水からカフェインだけをフィルターで抜き取る方法の為、
安全且つ、風味の劣化が少ないことから日本でも広まっている。

(現在弊社でもウォータープロセスのデカフェを取り扱っています)


ストーリーラインさんがルワンダに持ち込もうとされている
脱カフェイン処理のプロセスは、そのどちらとも違い、
『超臨界二酸化炭素抽出法』と呼ばれるもの。

二酸化炭素に圧力と温度を加え超臨界流体にして、
二酸化炭素でカフェインを脱処理する方法で、
安全且つ、風味が損なわれ難いとされている方法だそう。


この超臨界二酸化炭素の抽出法は、
珈琲豆からのカフェインを抜くだけではなく、
衣類の無水染色等にも応用されている技術。

近年では大手コーヒーチェーンなども
このプロセスのデカフェを取り扱うところが増えている。



ただそのカフェインを脱処理する施設は
主にドイツやカナダ等の先進国ばかりで、
コーヒーの生産地であるアフリカには まだない。

市場に出回る脱カフェイン処理されたコーヒー豆は、
産地から脱処理施設のある国を経由し、
そこで加工されてから市場に出回る為、
加工処理賃の他、海を渡る分、値段は高くなる。


同じ銘柄の豆であってもデカフェのものは
大体1.5~2倍近く高い。


産地アフリカで、ルワンダでその加工が出来れば、
輸送費を抑えられる分、値段は今より安くなり、
よりデカフェを広めやすくなる。


そして、付加価値の付いた豆を直接輸出できるようにもなれば
ルワンダは新たな価値をもたらすことになる、
その為に今、ストーリーラインさんは研究を進められている。





そして、その研究を進める中で、
少量からでも焙煎が出来るもの、
さらにデカフェの焙煎に合う熱風式焙煎のものを探され、
弊社製の焙煎機 NOVO MARKⅡにたどり着かれた。





研究という形では、これまでに
食品メーカー様や飲料メーカー様などに
NOVO MARKⅡを導入頂いた例はあるが、

産地にデカフェの工場施設を建設しようとされている企業様に
導入を頂くのは これがはじめて。

デカフェは特に熱風式焙煎の方が良いので
NOVO MARKⅡで実験を行いたいとのこと。




NOVOの対面にはブライアンさんの焙煎機も。



また、そのカフェインレス処理の研究を進める一方で、
「コーヒー for ヘルス」という活動も精力的に行われている。


現地農家の人々は、まだまだ生活が安定しておらず、
健康保険にすら加入出来ていないのが現実。


その中で、ストーリーラインさんは、
ルワンダのコーヒー豆の小売りする事で得た利益をもって、
既に共同運営している現地の農家、組合員60世帯分の
健康保険を贈呈もされている。

CEOの加藤さんと共同農園主のイミ―さん

そんなストーリーラインさんの取り組み、事業計画は、
毎日新聞社等が立ち上げた『毎日みらい創造ラボ』というコンテストで
見事グランプリも勝ち得てられる。




この、ルワンダに脱カフェイン処理施設を建てる計画には
ルワンダも協力的で、参学ともにパートナーシップの話が進んでいる。




現地生産者の生活を守り、そしてこれから
現地にデカフェ工場の建設することで、
ルワンダのコーヒーの価値をさらに高め
今よりもっと現地生産者が安定した生活を送れるようにと、
ここ3~5年先の実現を胸に、日々奮闘されている。



その素敵なプロジェクトの、研究、実験に
弊社製焙煎機「NOVO MARKⅡ」がお役に立てるということは
とても光栄なことだ。



ストーリーライン株式会社
写真・文責:東京ラボセンター 高島(ダイイチデンシ株式会社)
2019年7月掲載