今回お邪魔するのは東京都杉並区高井戸。
京王井の頭線「高井戸」駅から、
環八沿いを南へ歩くこと
約5分。
中央右に見える
「新鮮な珈琲を手から手へ」の看板が目印のお店。
Coffee Beans Shop 高井戸
カウンターでカフェラテを頂きながら、
いろいろ話を伺おうとすると
お客様が立て続けに入ってこられる。
こちらのお店は、店主と奥様のご夫婦2人でされている為、
他のお客様への接客中は、話を伺えない。
生豆の前でお客様に農園の話や焙煎による風味の違いなど、
とても丁寧な店主の接客がはじまる。
コーヒーの実は果実ですので、酸があります。
その酸は焙煎することで徐々に茶褐色へと変化し、
どうたらこうたら・・。
チラッと聞こえてくるその説明は
ちょっとしたコーヒーセミナー並みの情報量。
「ごめんなさいねぇ、ちょっと待ってて」と、
奥様からカフェボールなるものを頂く。
珈琲豆を形どった、ドーナツとカステラを足したような触感。
ほのかに甘く、おいしい。とか思っていると、
一通り店主の説明を聞かれたお客様は、
パナマの豆を 100g ご注文されていた。
こちらのお店ではカップ提供用の豆以外に焼き置きは一切されず
全てオンデマンドで、オーダー毎に焙煎をされている。
注文した豆が焙煎される時間は約5分、
お客様はサービスでついてくるカップコーヒーを飲みながら
待っておられる。
その間にも店主は、アラビカは農園でないと育ちませんが、
ロブスタはどんな原野でも生え、 どうたらこうたら・・
お客様へ豆の説明を怠らない。
豆が焼き上がると
焙煎機の横で手際よく包装され、お渡しになられていた。
直後、別のお客様はテイクアウトでコーヒーのオーダー。
こちらの話は全く進まない。
弊社製焙煎機の導入店舗様が繁盛されていることは
非常に喜ばしいが
店主の手が空くまで、ここで1日中待ってはいられない。
改めて別の日にお邪魔させていただこうかと思っていると、
「ごめんなさいねぇ、もうちょっとだけ待ってて」と、
奥様から 今度はソフトクリームを頂く。
お店がお客様で混雑していたからか、
豆の注文だけを済ませ
後でまた取りに来るというお客様がおられた。
奥様
「今さっきのお客さん豆のままって?それとも挽いてって?」
ご主人
「あ、いけね、聞くの忘れてた」
お客様を追いかけてご主人は店の外へ・・・
奥様
「もう、あの人いっつもこうなのよ、私には厳しいのに」
ご夫婦のこんなやり取りは
オープンしたばかりのお店とは思えない。
実はこの日がオープン初日で
前日と前々日にプレオープンをされていたというタイミング。
初日からとても順調そう。
そもそも店主のご主人は、コーヒー業界に35年おられ、
昨年定年を迎えられた。
昔、木材屋さんをされていたご実家の一部を改装し、
弊社製の焙煎機 NOVO MARKⅡを導入され、
自家焙煎店をオープン。
第二の人生にもまた、コーヒーの道を選択された。
35年のお勤めの間、ショップの店頭に立たれることもあれば、
世界の農園を巡ったり、焙煎をされていたこともおあり。
プロ中のプロ。
焙煎に関しても、直火式、熱風式、半熱風式、
全てされてきている。
お客様が途切れた隙を狙って
気になるNOVO MARKⅡの使い心地等について伺ってみた。
「まずはやっぱり魅せれることだよね。
前日とかも、沢山の方がコレなんですか?って
焙煎機の写真をいっぱい撮ってられましたよ
で、次はコンピューター制御だね
熱風式の焙煎機は他にもあるけど、
他のはアナログだから、素人じゃ上手くできない
NOVO MARKⅡに決めた一番の理由はこれかも知れないね
この焙煎機なら、私じゃなくて、
うちの家内でも焙煎できるから」
ようやく聞きたかった話が聞け始めたが
またお客様のご来店。
カップでソフトクリームとカフェボールをテイクアウト。
続いて豆を買いに来られたお客様。
その次はホットコーヒーをご注文のお客様。
一杯、一杯丁寧にハンドドリップでご提供。
カップでご注文をされたお客様には
「金属メッシュ」か「ペーパーフィルター」か、
どちらがよろしいですか?と。
するとお客様はすんなり「あ、じゃあ金属で」と。
それって何ですか?と聞く方は、案外誰一人おられない。
高井戸は、コーヒーレベルが 高いど。
「ごめんね、どこまで話したっけ、
あ、あとはコンパクトだったり、音や匂い、煙は
他の焙煎機と比べると本当に少ない
あとはチャフ受けがいい、
他の焙煎機はチャフ受けが直接は見えなくて、
チャフが溜まると風量が落ちて焙煎出来ない
その点これはチャフの溜まりが一目でわかるから、
とても良いと思います」
「コーヒーに関して言えば、
熱風式だから抽出効率が良い。同じグラム数でも、
直火や半熱風にくらべて風味がしっかり出る。
短時間で熱を加えるから豆の気泡が膨らみやすく、
膨らむということは その分抽出が、、、あ、
いらっしゃいませー!!」
私にとっては取材効率が良くない日のようなので
今日は一旦帰らせていただくことに。
またゆっくりお邪魔させていただくことにしよう。
CoffeeBeansShop高井戸
文責・写真:東京ラボセンター 高島(ダイイチデンシ株式会社)
2018年3月掲載