福島県須賀川市
ログハウスを改造し、
こだわりがギュッと詰まった
1軒の自家焙煎珈琲店がある。
現代版茶室をコンセプトに、
付けられた店の名は自家焙煎珈琲屋 利休(RIKYUU)
ログハウスの隣には
薪小屋と
犬小屋。
帰り際には一切吠えられなかったが、
お邪魔する際は、
びっくりするくらい 吠えられた。
番犬としての意識がかなり高そう。
こちらのお店では、
オーナーの今村氏が淹れる「こだわりの珈琲」を
寛ぎながらいただく事が出来る。
「お客様にお越し頂いた際、できるだけ寛いでいって欲しくて、
玄関では靴を脱ぐスタイルを取り入れました」と、今村氏。
珈琲を飲みに来て靴を脱いだのは初めて。
確かに靴を脱いだ方がリラックスできる。
ログハウスの雰囲気もあってか、わりと自然に靴を脱いでいた。
さっそく1杯ごちそうになることに。
今村氏の淹れ方には特徴が2つある。
1つ目はタンピング。
ペーパードリップでありながら、
タンパ―でタンピングするスタイル。
エスプレッソではなく、ペーパードリップでタンピングとは
珍しい。
旨味を十分に抽出するために試行錯誤したところ、
この方法に辿りつかれたそう。
2つ目は「アメリカ―ノ」
濃いめにおとし、あとからお湯で量を調整するというもの。
抽出後半に出てくる雑味が混ざるのを防ぎ、
良いところだけを抽出するのが狙い。
【タンピング × アメリカ―ノ】
文字だけを見るとそれはなんだかプロレスの試合みたいだが、
抽出されている最中からどんな珈琲なのか、楽しみに待つ。
出して頂いた瞬間から美味いウマいとガンガン飲んでしまい、
満タン時の写真はうっかり撮り損ねていた。
深煎りされたマンデリンが、
スッキリまろやかに淹れられていて、
とても飲みやすかった。
スッキリと飲める珈琲に、寛げる空間作り
回転率以上に「おかわり売上げ」が結構あるものと思われる。
店名は利休と名付けられたが
千利休とは違い、侘びてはいないこだわりがとても多い。
少し書かせていただくと
・ヤギの革で出来たコースター
水を吸ってしまう紙のコースターが嫌で、
水に強いヤギの革で作ったというオリジナルコースター
一つひとつとても丁寧な作り。
・革製スリーブ
都度捨てる紙製はエコじゃないのでと、
革で作られたオリジナルカップスリーブ。
少し贅沢な気もする革製。確かにスリーブだけなら
普段からバッグなどにも入れておきやすく、
使いまわせるのでエコ。
カラーも豊富。
・カップはホーローかガラス製
販売用のカップも店内にズラっと。
一般的にはよく陶器のものが使われているが、
陶器には鉄分が混じっているので、
微かながら味にその影響は出るらしく、
その点、ホーローやガラスだと味に影響が出ないので
オススメです、とのこと。
1940年代のFire King。デットストックものは・・・
結構ええ値段。
Fire Kingの購入を考えている方であれば
Fire Kingでの試飲も可能で、奥にある「Fire King部屋」で
カップを選んで飲ませてくれるそうです。
・自作のドリップスタンド
6連のドリップスタンドは見応えアリ。迫力がある。
各ドリッパ―部分に店名までも入っているこだわり具合。
・暖房器具は暖炉
オブジェではなく実際に使用されている暖炉。
冬には薪をくべて暖をとられる。
そして「艶消しブラック」に特別塗装された
焙煎機 NOVO MARKⅡ。
店名切り文字LEDバックライトオプション付。
赤煉瓦の壁とウッドウォールにもよく合っている。
今村オーナーはNOVO MARKⅡを購入される以前から
ガスの1kg釜の焙煎機で焙煎業をされていた。
でもその頃は
モヤモヤとした疑問を抱えた日々を過ごされていたそう。
「出来れば煎りたてを販売したい、
ただ3日目にやっと味と香りに花が咲きはじめるものを、
焙煎した当日に販売をして、
果たしてそれで良いのだろうか。。。
でもガスで焙煎した豆は必ず何日か
エイジングさせる必要がある、
これは何とかならないものか・・・」と。
そんな時、NOVO MARKⅡで焙煎した珈琲と出会われた。
「NOVO MARKⅡで焙煎したものなら焙煎当日から飲める、
これだ」と。
「仙台で実際にNOVO MARKⅡをみたら
益々欲しくなってしまいましたよ。笑」と。
ログハウスをご自身で改造し、また細かい備品にまで目を向け
店づくりへの強いこだわりを見せる今村オーナーの
選んだ焙煎機が弊社のNOVO MARKⅡとは、誇らしい限り。
実はこちらの生豆の入ったケースも、
珈琲豆用の物ではないものを流用。
知恵とアイデア、そして器用さがすごい。
こちらのキーホルダーも、自身でデザインされている。
思わず1つ購入。
右側に並んだ額も今村氏の手作り。
写真家や画家の方々が気に入ったものを買って帰られるそう。
そんな今村氏が焙煎した珈琲は
・コーヒーメーカーで飲んでも美味しい、
・水筒に入れて会社に持っていった珈琲が帰り際でも美味しい
と評判に。
口コミで利休が自然と広まっていったこともあり、
これまでは宣伝等は何もせずにやってこられたが、
もう既に「2号店計画」もあるそうで、
ちょっとこれからは本気で宣伝もはじめられるそう。
また、商工会などにも参加し
「何か協力出来ることはないかと」と、
あらゆる方面へ積極的に活動をはじめられた。
「これまで美味しいコーヒーに出会えずに、
コーヒーを飲まなかった人や、飲めなかった人、
また、砂糖やミルクを入れないと飲めない人でも
何も入れずに飲めるコーヒーを出すのが
珈琲屋としての役目だと思う。
2号店も「ただいま」と家に帰ってきた感じで
来て頂けるような
そんな寛げるお店にしていきたい」と今村氏。
こだわりの店作りは 今後より一層加速していくようだ。
福島 自家焙煎珈琲屋 利休(RIKYUU)
文責・写真:東京ラボセンター 高島(ダイイチデンシ株式会社)
2017年6月掲載