こちらは弊社のアパレルブランドRoast right now!!
PV撮影時の風景。


(PV主演の、白波瀬美月さんと、ミネオショウさん)

PVは、前編と後編に分けた2つのストーリーで、
前編は NOVOでコーヒー店を始める夫婦のオープン初日を、
後編は 2周年目の日を切り取ったものとなっている。

その為、撮影はスタジオではなく実店舗で行う必要があり、
ダメ元でお願いをしてみたところ
「ウチで良いんですか?定休日で良いなら是非」と、
こちらの MITSUMATA COFFEE さんが
快くそのオファーを受けてくださった。

撮影は朝から日が暮れるまで続いたが、
オーナーの松田さまには温かく見守っていただき、
お蔭様で無事PVは出来上がった。

大切な場所を丸一日も貸していただき、ただただ感謝しかない。
(まだご覧になられていない方は是非一度ご覧ください)

前編 後編


今回のPVに出てくる夫婦のように、
実際こちらもご夫婦でスタートされたお店。


(左側におられるのが奥様)

店名 MITSUMATA COFFEE の「ミツマタ」という珍しい名前は、
こちらのお店がある「大井三ツ又」という地名から付けられた。

「あのPV、良くできてますね、
 あの鏡の前で挨拶の練習をしているシーンとか、
 実際にはやってなかったけど、
 初日の主人はまぁあんな感じでしたよ 笑」とは奥様。

「いやー、確かに初日はかなり緊張してたね」とご主人。

PVの話を切欠に、話題はお店をされる前の話へ。

ご主人は、学生時代に喫茶店でアルバイトの経験がおありで、
既にその頃から、自分のお店を持ちたい、と思われていた。

でも現実では、外資系の大手製薬会社に就職され、
スーツ姿で多忙な日々を過ごされているうちに、
自分の店を持つという夢は
いつしか「夢物語」となっていたそう。

「毎日本当に忙しそうにしてましたよ、
 朝起きて出社前にデスクでカタカタ(PCをたたく仕草)、
 夜帰ってきたと思ったらまたデスクでカタカタ、
 休日にもまたデスクでカタカタやってましたから、
 掃除機かけたらウルサイって怒られたり 笑」と、奥様。

「確かに当時は休みなんて全然なかったね、
 外資系の企業なんて休みって言っても実際休みじゃなかったしね」
ご主人は遠い目をされながら、そうつぶやかれた。


(PV撮影時に斜め向かいのベンチでPC作業されていたご主人)

そんなご主人が行動に移されたのは2019年の事。


「オレ、会社辞める、そして、コーヒー屋に オレはなる!!!」


まるで『少年ジャンプ』に出てくる主人公のような突然のセリフに
奥様は当初、「何バカな事言ってんの」と、思われたらしいが、
ご主人の決意は固く、ガチで退職をされた。

「驚きますよ、驚きましたよ、そりゃあ 笑」
 でもまぁ、決めたからには、付いていかないとねぇ」と、奥様。

まるで海賊王にでもなるかのような勢いでご退職、
からの、奥様も味方につける事に無事成功されたご主人だったが、
丁度その頃から世界中で流行病が広がりだし、
松田さんの計画は一旦ここで中座してしまう。

「退職して、わりとすぐにでもはじめるつもりだったんですが、
 色々大変な時期になってしまったので、
 逆にまぁこれもいい機会だと、
 また一から珈琲の勉強をし直しましてね、
 コーヒー屋さんでバイトさせて貰ったりしながら
 ゆっくり場所を探したりしてましたよ」とご主人。

その場所探しの中で一番ネックとなったのが、
焙煎機選びだったそう。

「お店をやるにあたっては、
 絶対に焙煎は自分でやりたいと思ってたので、
 焙煎機は色々と探していたのですが、
 ここでやるって決まった時に
 直火の焙煎機だとちょっと厳しくて。

 海外製でカッコいいのとかもあるから欲しかったんだけど、
 こんな場所で煙とか出せないじゃない、
 あと夫婦二人でやろうと思ってるから、
 私が焙煎につきっきりになるのも少し現実的じゃないなって」

「NOVOの事は何年か前の展示会、
 確かSCAJで、チラッと見てはいたんですけど、
 でもその時はほぼほぼスルーしてて… 笑

 でも実際にやる場所のこととか、いろいろと考えだした時、
 そう言えば、なんか良さそうなやつを前にチラッとみたぞ、
 もしかしたらアレ(NOVO)なんじゃないかと。
 で、御社に連絡して、渋谷まで伺ったんです」と、ご主人。

「焙煎も色々勉強してきたから分かるんですけど、
 まぁこの焙煎機は正確ですね、で、合理的。
 焙煎中、ずっとNOVOを眺めてるお客様もおられるし、
 今ではNOVOにして本当に良かったと思ってますよ、
 こうしてここで自家焙煎出来ているのはNOVOのお蔭ですよ」

ご主人、ありがとうございます。
こちら一言一句、漏らさず記させていただきます。

一方で、三ツ又の海賊王に巻き込まれた奥様には、
過去に洋菓子店でお勤めをされていた経験がおありで、
お得意のケーキや焼き菓子等で
がっちりお店をサポートされる形でスタート。

「コーヒーと、焼き菓子、二本の矢ってやつで」と、
嬉しそうに語られるご主人。

松田さんご夫婦は、こちらのお店をはじめられてから、
テルさん、ユキエさん、と、呼び合われるようになられたそう。

製薬会社でお勤めをされていた頃とは違い、
今では四六時中 傍におられるようになり、
その事で何か衝突などはなかったか、
仲の良いお二人を見ているとちょっと興味が沸いて、尋ねてみた。

「そりゃ、無いっていったらウソになりますよ 笑
 どんな夫婦でも一つや二つ、大なり小なりあるでしょう、
 でもね、テルさんが毎日とても楽しそうなの」と、ユキエさん。

「そう、今はもう本当にノンストレス、
 決してラクではないけど、毎日が楽しい。

 特にこの夏は猛暑すぎて、商店街にも人がいなくなっちゃって
 これはちょっとヤバいんじゃないか、とか思ったりしたけど、
 最近はまた少し涼しくなってきたら
 お客さんも戻ってきてくれて、ホッとしてる」と、テルさん。

確かに珈琲豆売りにとって、夏は閑散期。
中でも今年の夏は猛暑日が過去最高に続き、
会社員の頃とは違ったプレッシャーがあった事だろう。
それでもご主人は、毎日が楽しいと、笑顔で仰った。

今ではご夫婦だけでは回らない日も多くなり、
パートさんも雇われてお店をされている。
軌道にのってこられているようで何より。
今後の展望をご主人に尋ねてみた。

「特に今は、このお店を続けること以外に欲は無いです。
 このコーヒー屋さんで、
 コーヒーを通じて人々との出会いを大切に、
 夫婦でずっと楽しく長くできれば良いなと思ってます。
 大好きなコーヒーと、ずっと戯れていたい」と。

思い切ってコーヒーの大海原に飛び込まれたご主人と、
ピッタリ寄り添いサポートされている奥様。
共に新たな道を進まれたお二人に、後悔は無い。

そう、お二人での航海は、まだまだはじまったばかり。


(MITSUMATA COFFEEの、テルさんとユキエさん)

写真・文責:東京支社/ラボセンター 高島
(ダイイチデンシ株式会社)
2023年10月掲載