「震度6強でも、何ともなかったですよ!
耐震性抜群の焙煎機って、さらに売れるんじゃないですか?」
と、オーナーの上林さんが明るく言われる。
何ともなかったように言われるが、
お家の方は、続く16日の地震で相当ムチャクチャになったと。
2015年夏よりオープンされた
「BLS Coffee Atelier(BLS コーヒーアトリエ)」さん。
スペシャルティ珈琲豆の自家焙煎店を、と始められたお店。
こだわりは3つ。
1、産地や農園にこだわった生豆を揃える。
スペシャルティやシングルオリジンはもちろん、
ハワイコナ、イエメン、ブルーマウンテンNo.1、ゲイシャ…
他には絶対無い様な希少なものも多くあり、
それをストレートで、贅沢に100%で味わう。
2、鮮度。オーダーをお聞きして5分ほどで焙煎したての豆を。
3、酸味、苦味、甘み、お好みに合わせ、焙煎度を変える。
お客さんの好みにあわせた、
喫茶コーナーも充実で、その珈琲を気軽に楽しめる。
ちょうど熊本地震の直前にもお邪魔していたが、
幸いなことに、
家の方は、中もムチャクチャになってしまったけど、
被災されながら、避難所にも珈琲をお持ちになっているという。
「売名とかいう人もいるって聞いたけど、地元で、
元気になってもらうのに、珈琲配っても別にいいでしょ?」
と、
珈琲の華やかな香りは、
まるで日常が戻ってきたようだと、避難所の方に大人気らしい。
時に、誰かの傷ついた心を癒す、
一生、忘れられない珈琲になるかもしれない。
珈琲は気持ちを鎮めたり、
時にやる気をおこさせたり、
マジックのある飲み物。
珈琲で、熊本のために何かできることはないだろうか、
Pray For Kumamoto
祈るだけでは、きっと何も起こらない。
手探りで走りながら、祈る。
新しい挑戦は、はじまったばかり。
帰り際に、オーナーの奥様から
急いで買いに行っていただいたであろう、お土産をいただいた。
最初に行かれたお店は被災されて閉まっていて、
二軒目、うまく開いていたって。
まさかお土産をもらって帰ることになるなんて。
自分に出来る事は、何だってやろう。
そんな気持ちにさせる。
本物の珈琲を出す、気持ちのこもったお店がここにあるから。
文責・撮影:中小路通(ダイイチデンシ株式会社)
2016年5月掲載