今回の「ノボのある風景」は、東京都豊島区にあるお店。
都電「鬼子母神駅」と、地下鉄副都心線「雑司が谷駅」、
どちらからも徒歩1分のところにある。
お店のすぐ前を都電電車が走るロケーション。
そこから店名は「Toden Coffee(トデン コーヒー)」と名付けられた。
7~8坪くらいの店内。
入って左側には弊社製焙煎機NOVO MARKⅡ。
右側には生豆やドリップバッグ、抽出器具などがズラッと。
「お蔭様でなんとか順調にやってますよ」
とはこちらの店主、嶋崎さん。
嶋崎さんにお会いするのは昨年のSCAJ以来なので
ご近況など色々お聞きしようと思っていたが、
少しお話をしたところでお客さまがご来店。
嶋崎さんは接客につかれた。
Toden Coffeeは店主嶋崎さんワンオペのお店。
嶋崎さんが接客されている間、
私はいただいたコーヒーを片手に
邪魔にならない範囲で店内をパシャパシャ。
そういえばこのところ
焙煎機の見学に渋谷まで来られた方が
こちらの店名を出される事が多い。
「Toden CoffeeさんでNOVOを見てここに来ました」的な。
オープンされて半年後には
テレ東の「WBSワールドビジネスサテライト」で、
人気の自家焙煎店として取材も受けられていて、
注目を集められたのは確か。
(放送時に撮ってたスクショ1)
(放送時に撮ってたスクショ2)
「スーパーで買うよりはちょっと高いけど、
ここのコーヒーを飲んだら、もう他のコーヒーは飲めない」
お店から出たところでインタビューされていた女性客の方は
確かそんな感じの事を言っておられた。
何をどうされて注目を集められているのか
今日はそのあたりの事も是非お聞きしたい。
さっきチラッとお聞きした話では、
平日は8割から9割はリピートのお客さまで、
毎週か隔週くらいのペースでご来店。
で、ご新規の方の多くは週末に来られて、
そこからまた足を運んでくださるようになる感じらしい。
混んでる時は50分とか1時間待ちになるのだとか。
でも大体みなさんご近所なので、
そんな時には時間を置いて後で再来くださるらしい。
そうこうしてるともう一組、
続いてまたもう一組さまご来店。
あー、しばらくはお話できなさそー、と
天井を見上げる。
お客様に言われて最近はじめられたインスタ。
でも使い方はまだよくわかっておられないらしい。
お店の外には中に入りたそうな方も現れ
さすがにこれはもう邪魔になるなと、
一旦お店を出て近所を歩くことに。
やばい、これだと私が50分待ちになるじゃないか。
まだ全然話を聞けていないが、仕方ない。
私が導入店舗さまにお邪魔する際は、基本ノンアポ。
だから取材の時間を取っていただいている訳では無い。
とは言え、今日はあまりに話が聞けていない。
私が知っている嶋崎さん情報は、
元々は全国に400店舗近くある大手総合スーパーにお勤めで、
確かナントカ課の部長(忘れた)をされていた。
で、2021年に定年退職をされた後、
UCCコーヒーアカデミーでコーヒーについて学ばれて、
2022年8月にこちらの場所にお店をオープンされた。
ぐらい。。
(一両編成の都電より短い情報な)
そうそう、
焙煎機の搬入時はそれはもうかなりの酷暑日で、
ブっ倒れそうになりながら焙煎機を設置していた私に
嶋崎さんはそっとガリガリ君を差し入れてくれた。
僕の47年の人生で、あの時のガリガリ君が
一番おいしいガリガリ君だったと思う。。。
(マジどうでもいい情報な)
やっぱりもう一度お店に戻って
嶋崎さんから詳しく話を聞くしかない。
あ、そういえば・・・
この近くに「天気の子」の聖地として有名な「坂」がある。
往復だとちょっと歩くことにはなるけど
もしまだ店内が混んでいたら、その坂まで行こう、
そう思いながらお店の中を覗くと、
もうほぼ空いていて戻ることに。
「バッと混んで、バッと空いての繰り返しなんだよね 笑」と嶋崎さん。
いやー、もう今日は戻れないのかと焦りましたよー、と私。
(ちょっとだけ坂に行きたくなりかけていたのはナイショ)
「そういえばさっきこちらにおられた女性のお客様、
〇〇ってグループの〇〇さんでしたが、
気付いておられましたか?
ちょくちょく来てくださるんですよ」
・・・不覚にも気づかなかった。
(逆に気付いてたらちょっと緊張してたな)
気を取り直して色々と伺ってみる。
「あぁ、NOVOの事、よく聞かれたりしますよ、
その都度、ちゃんと言ってますよ、
この焙煎機があれば誰でも出来ますよって 笑」
(嶋崎さん、ありがとうございます)
「そもそもは別の焙煎機を買おうと思ってたんだけど、
でもまぁ、お客さんが見て楽しいが一番ですよ、
お客さんの立場になったら、NOVOかなって。
チャフを焼かないから、綺麗な味も引き出せてるし」
こちらのお店では基本的にオーダーを受けてから焙煎される。
通常の焙煎プログラムは生豆100g刻みのセッティングだが
嶋崎さんのところでは焼き上がりが100g刻みになるよう編集されていた。
一部商品は時間の無いお客さんの為に焼き置きもされてはおられるが、
それらはすぐに売り切れてしまうらしい。
また、ベースにされているのは豆売りだが、
味を知ってもらうためにカップ提供もされている。
「さっきはカップのお客さんで混んじゃったね」と嶋崎さん。
並べられている生豆やドリップバッグを見てみると
浅煎りめのものが目立つ。
「浅煎りのフルーティーさを知ってほしいと思ってますので、
深煎りはほとんどやってないんです、
ほとんどハイローストで、
マンデリンとかで、やってもフルシティくらいまで。
お客さんで、酸味が苦手って方も結構多いんですけど
ここで試飲していただくことで、
美味しさに気づいていただいたり、飲めるようになられると
嬉しくなられて買っていってくださるんです。
豆の商社の人も先日ここで言ってましたよ、
NOVOで焙煎すると豆の甘みが引き出されてるって」
「現状はもうバリバリ稼ぎたいって訳ではないので、
自分が美味しいと思うコーヒーだけを売れれば良いと思ってます
ここの家賃が払えて、あと少しお小遣いが入る程度に 笑」と。
NOVOを導入(ご購入)いただく方のタイプは様々。
全国にチェーン展開されている企業さまや、
既にカフェや喫茶店などを経営されているオーナーさま、
脱サラや定年退職を機にお店を持たれる方、
また、とことん大成功を目指されるバリバリ派な方や、
楽しくお店をしたいエンジョイ派の方、
この道ウン十年のプロフェッショナルな方、
カフェやスクールで学ばれている方、
未経験で伸びしろしかない方まで、見事にバラバラ。
嶋崎さんは、ご定年を機に改めてコーヒーの事を学ばれ、
NOVOを導入いただいた、エンジョイ派の店主。
実際、お邪魔したこの日も楽しそうに営業されていて
お客様との会話もはずんでおられた。
Toden Coffeeのコンセプトは、
この地域のお客様に
焙煎したての美味しいコーヒーを
楽しんでいただくこと。
その為、業務用の依頼はあっても
コンセプトに合わないオファーが多く
基本的には避けておられるそう。
ガツガツされていない空気感が人気の秘訣だろうか。
結果的には楽しみながらバリバリ稼がれているので
理想の形だと思う。
そうこうしているとまたお客さまご来店。
どうやらリピーターの方。
「コロンビアを、焙煎度4番で・・・」と
慣れた感じで豆をオーダーされている。
まだまだ話は聞き足りないが、長居は恐れ、
今日はこの辺で。
写真・文責:東京支社/ラボセンター 高島
(ダイイチデンシ株式会社)
2024年2月掲載