「天使がまいおりる」
とてもインパクトのある店名だ。
googleで検索をすると福岡県の京都郡というところにある、
その1件しか出て来ない。
こちらはカフェ&雑貨屋さん。
そして一年前より、
珈琲の焙煎豆屋さんもはじめられた。
オーナーのお名前は北丸さん。
今はご夫妻でお店をやられている。
焙煎機を導入される前、
「魅せる焙煎機は良いのですが、こんな田舎で、
人目にどれほど触れるのでしょうか?」と仰られました。
たしかに、人通りはとても少ない住宅地。
ただ、北丸さんは昨今の珈琲ブームで、
ただ人ががいっぱい来るのが良い、とは思われていない。
夫婦で楽しくお店がしたい、
目指すは「隠れ家的に、キラリと光るお店」
その気持ちで、珈琲豆屋さんをスタートされた。
お店で、大切にしておられるのは3つ。
①焙煎したて。
②良い素材を使う。
③癒される空間であること。
そして、1年後の訪問。
朝から主婦のお客様が7名ぐらい来られて、
楽しそうにされている。
その間も電話注文や、車で来られる方も。
以前の雑貨屋さんだけでやられていた時と比べると、
「主婦の方が多いのは、前と同じですが、
実は、来られるお客様の層が、かなり変化した」
お二人とも、揃ってそう言われる。
安いからあそこ、ではなくて、
良いから、あそこだね、と。
「先日、はじめて来られた外国の方に
1杯の珈琲のお代(350円)を言うと、
何故そんな安い価格で売っているのか、
450円はとりなさい、と叱られたんですよ」
北丸さんは恥ずかしそうに仰られる。
「お客様に「安いね」とだけ言われている頃は、
喜んでいただけている気がしなかった。
もっと安い店ができたらここに来ない、
そう言われる気がして」
「お客様に、本当にありがとう、
そう言われるようになったのは、
きっとこの珈琲のおかげ」とも。
美味しい珈琲には、マジックがある。
天使はまいおりた。
福岡のJR苅田駅の近くの、素敵な隠れ家。
珈琲の香りがほんのりする、
扉をあけると、
想像を超えた癒される空間が、そこにある。
取材・撮影・文責 中小路通(ダイイチデンシ株式会社)
2015年3月掲載