「開店してから、撒こうと思って作ったビラを
慌てて、机にしまいました」
出迎えて頂いたお店のトップ 安居さんが、
ランチ時のピークを迎え、10人ぐらいに膨らんできた
待ち合いのゾーンに座っているお客さんの方を見ながら、
心配そうに、オープン時を振り返られている。
2016年12月24日にオープンして一ヶ月たったまほろば珈琲さん。
もの凄い盛況である。
それはオープン初日から。
一切、宣伝をしなかったと言われるから、驚きである。
工事中から、既に目立っていたということだろう。
席数は100を超えるのに、連日のように昼前から夕方まで満席。
しかも、奈良の北葛城郡という、ちょっとした山奥。
（香芝ICから車で10分ほど）
そんな大変な中に、ふらりランチに寄った私にも、
トップである安居さんが出て来られて、ご案内いただける。
恐縮である。
ランチメニューは５種類。
どれもめちゃくちゃ美味しそうである。
1080円で、前菜のサラダ、スープ、メイン、デザートに、
サイフォンで丁寧に淹れた珈琲。
値段設定を間違っているのではと思われた、そのクオリティ。
「何されますか？あ、ハンバーグのセットですね。
一番人気で、もうこだわりにこだわって、
でも原価も高いんですよ…
でも、後から値段をあげるなんて、できないですよね…」
段々と歯切れが悪くなる安居さん、、、
どうやら、本気で値段設定を間違えてしまっているようにも
見えた。
…大丈夫だろうか…。
今週末はブラックマヨネーズさんMCの番組で、
1時間にわたり特集してもらえるそうだ。
（2017年1月28日 土曜日 関西テレビ 「ウラマヨ！」13:00～13:56 ）
「やっとスタッフのみんなも慣れて来たので、
テレビを見て来られても、
なんとかご対応できるかと思います。」と安居さん。
たしかにスタッフの方の手際が素晴らしく、
満員のテーブルも、
10名ぐらいのメンバーさんが、
あっという間に、料理が珈琲が、様々なテーブルに運ばれ、
そして、お客さんは、美味しそうにくつろがれている。
ちょっとくつろげすぎるので、
それほど、席が空かないのかもしれない。
そんな、オープンして1ヶ月、
初めての宣伝らしい宣伝は、視聴率13％ほどある
関西テレビの人気番組。
いよいよ、次の段階のスタートの時期かもしれない。
「一ヶ月、大変だったでしょう？」
つい、月並みな質問をしてしまった。
「そうなんです。
色々失敗もあり、日々挑戦と修正で大変でしたが、
やっと慣れてきて、私も少しホッとしてきました。」
「ひとつ大失敗したのは…オープンして二日目です」
と安居さん。
「上品なマダムの方から、
前菜とメインの間が30分も空いてしまい、
もの凄くお叱りをいただいたことです。
そんな怒る様な方ではないと思うんです。
そんな人まで怒らせてしまい、
心底反省いたしましたね。これじゃダメだと。
なんとか謝らせていただくと、
最後まで待って召し上がってはくださったのですが、、
もう来てもらえないかもです。
本当に悪い事をしてしまいました。」
大盛況とあぐらをかくことはない、
大失敗と言われるエピソード、
ひとりひとりのお客様を、本当に大切にされている。
奈良の山奥に、宣伝もなく、
人がいっぱい集まる理由が分かった気がする。
珈琲豆のリピーターさんも多いと聞く。
年齢を重ねて来ると、
本物というのがいかに少ないか、身に染みてわかる。
鮮度が悪いとか、偽物が多いとか、
そんな批判をしたいわけではない。
本物は本当に少ない、
それは暗闇で蛍をさがすようなもの。
だから見つけた時は、感動してしまう。
その価値と、そこに潜む圧倒的な努力が伝わってくるから。
ここにはそんな感動しかない。
焼きたてのパンに、焼きたての珈琲豆。
そして最高の料理、空間、デザイン、おもてなし。
奥のボックスシートの向こうには、
リラックスしてくださいといった大きな滝が流れ、
それは何もなかった場所に、わざわざ作られた本物だ。
（Gacktか！）
珈琲専門店をやるならと、
焙煎機を店内の中央に置いて下さったのは、
この異常なまでの本物志向の
アンテナが触れたからに違いない。
「そういえば…」と、
帰る時に安居さんに思い切って、質問した。
「何故、ウチの焙煎機を選んでいただいたのですか？」
「それは、出会いです。
製品だけでなく、あなたがとても変わっていたからです。
あまり営業もされませんしね。」
と即答された。変わっていたから選んだ…！
まったく、どうかしてるぜっ！
「ウラマヨ！」（関西テレビ 13:00～13:56）
http://www.ktv.jp/uramayo/170128.html
※2017年１月28日（土）是非、みてくださいね。
まほろば珈琲 ささゆり台店
ポケットフーズ株式会社
文責・撮影：ダイイチデンシ株式会社 中小路
2017年1月掲載
