お邪魔したのは、新潟市東区にある一軒のコインランドリー。

店内にはズラッと並んだ洗濯機と乾燥機。

乾燥機、乾燥機、乾燥機….

衣類以外にも、クツ用のものから、

珍しいペット専用の洗い場や、

入口付近には
これまた珍しい縦型のものまで・・・

・・・ ではない。

こちらは、
コインランドリー内の一角が自家焙煎のスペースとなっている
今までには無かったタイプのお店。

焙煎機の向いに並ぶ洗濯機、
この斬新な画は、ここでしか見られない。

そのお店の名は、
ランドリープレス&カフェ 新潟。

どうしてこのような形態のお店にされたのか、
オーナーの関口さんに話を伺ってみた。

「私は元々コンビニの経営をしていまして、
 普段、平日はそっちで動いていることがほとんどです。

 ですので、ここではなるべく人手をかけずに出来る
 ビジネスをしたいと考えました。

 この1Fは店舗ですが、2Fは私たちの住居となっていまして
 ほぼ無人で運営できるコインランドリーなら、
 新たに人を雇わなくても、2Fにいる家族で管理ができる、
 そう思ってはじめました。」

「一昔前とは違い、現在のコインランドリーは
 ただ洗濯をするだけの場所ではなくなってきています。

 都内では、フリーWi-Fiや、フリーdrink等の設備をはじめ、
 カフェを併設するようなお店等も増えてきています。

 その中でも、私はカフェを、それも
 折角なら『自家焙煎』でやりたい、
 そう思ったのがきっかけです。

 そもそも私はコーヒーを飲めなかったのですが、
 うちのコンビニで出しているコーヒーを飲んでみたら
 意外と美味しいと感じたんです。

 コーヒーに興味を持ったのはそこからですね。」

「で、調べていくうちに
 美味しいコーヒーを飲む為には焙煎だ!
 となった訳なのですが、

 知り合いのコンビニ経営者の中には
 直火式の焙煎機で焙煎をしている人たちが何人かいまして、
 『研修を受けて何度練習してもなかなか上手くいかない』、
 というような話をちょくちょく聞いていましたので
 自分にはちょっと無理かな・・・と思っていました。

 あと、焙煎には 匂い や 煙 はつきものなので、
 コインランドリーでそんなことが出来るかどうかという点も
 当初疑問に思っていました。」

「そんな時に、ネットで偶然このNOVO MARKⅡを見つけました。
 匂いや煙が少なそうで、操作も簡単そう、
 これならコインランドリーで、私にでも・・・

 ただ、自分は仕事が忙しくてすぐには見に行けなかったので、
 まずは息子に東京のショールームまで行ってもらい。
 匂いや煙、操作方法など、一通りチェックしてもらってきました。

 結果、OKとの報告だったので、
 その後、私も時間を作って東京まで見学に行きました。」

「東京のショールームでは実際に焙煎もさせていただいて、
 これならいける、すぐにそう思いました。

 NOVOなら匂いや煙が少ないので、コインランドリーにも置ける、
 そしてなにより、焙煎の修業をしなくても失敗無く上手く焙煎ができ、
 それを魅せることも出来る、これは良いなと思い、導入しました。」

そういえば、先日チラッと見たテレビでは、
『新たな装置を入れて繁盛しているお店特集』的な
内容の番組をやっていた。

(ググったらその番組の予告編が出てきたので 
 一応こちら https://youtu.be/nFY-NuGdp2w )

番組では、無煙の焼肉店や
サイフォンでラーメンスープを作るお店などが取り上げられていて、
その繁盛しているお店の共通点としては、

・装置によってクオリティが向上、そして安定
・人件費削減
・装置によるパフォーマンス、エンターテイメント性による集客効果

などが理由として挙げられていた。

これは、関口さんがこちらのお店でしようとされていることと
合致している。

まさに『NOVO』でのビジネススタイル。

「はじめてNOVO MARKⅡを見るランドリーのお客様からは
 これは新しい洗濯機ですか?ってたまに聞かれています。笑

 珈琲焙煎機ですって答えると、皆さん驚かれてますね。

 でも、焙煎機を設置しているとはいえ、
 豆の販売に関しては、まだまだ準備段階なんです。

 基本的には無人店舗にしていますので、
 現時点では、コーヒーにご興味のあるお客様には
 店内のインターフォンで2Fにいる私の家族を呼んでいただいて、
 新鮮なコーヒーをサービスでお出しして、
 焙煎したての風味を試飲いただくことがメインです。」

「一応値段も決めて、豆の販売も出来るようにはしていますが、
 平日はコンビニの方で忙しいので、今は無理のないよう
 珈琲豆の販売は週末だけ、それも
 13-18時の時間限定でさせていただいています。」

「で、その平日の試飲がなかなか好評でしてね、
 よく「美味しい」と感想をいただいています。

 その試飲で気に入ってくださった方が
 また改めて週末に豆を買いに来てくださる、
 今はそんな感じですかね。

 まぁ焦らずじっくり時間をかけて
 徐々にやっていきたいと思っています。」

「試飲をお出しするのは母にも手伝ってもらっていまして、
 母は今ではそれが生きがいになっているみたいです。

 井戸端会議じゃないですけど、
 ご年配の方から、小さなお子様連れの方まで
 ここには気軽に立ち寄っていただけていて、
 世代を超えた交流を、母は毎日ここで楽しんでいるみたいです。」

お邪魔している最中に、
洗濯物を取りにこられたお客様が入ってきた。

「ん、何?、どこかのタレントさんかと思ったよ」と、
そのお客様がいきなり私をいじってきた。

関口さんは
「いやいや、この焙煎機のメーカーの方ですよ。笑」と。

そのお客様が帰られた後、私に
「今のお客様には毎日のようにここをご利用いただいていて、
 近くでお母様と二人暮らしをされてる方です」と、
お客様の話をされた。

コインランドリーという業態で
お客様の家族構成まで知っておられるのは
なかなか無いことだと思う。

きっとここで、世間話などをされる間柄になられたのだろう。

私の中でのコインランドリーのイメージは、
溜まった洗濯物を持ち込み
洗濯、乾燥が終わるまでの間、
ひたすら暇と孤独を持て余す場所だと思っていたが、
こちらでは違ったようだ。

洗濯物が乾くまでの間に
きっと多くの交流が生まれている。

丁度これからの季節は、
お店前の公園では、ホタルが見れるらしい。

夕暮れから、日が沈みホタルが見れる時間帯まで
こちらで洗濯をしながら
のんびりとコーヒーでも飲んで過ごしてもらえたらと
関口さんは仰った。

最新の装置と、コミュニケーション。

ここLaundry Press & Coffee新潟さんは、
衣類の洗濯と乾燥をする『コインランドリー』でありながらも
焙煎したての珈琲にも出会える場所。

そして地域密着型の、
全くドライではない、素敵なお店だった。

Laundry Press & Coffee 新潟
写真・文責:東京ラボセンター 高島(ダイイチデンシ株式会社)
2019年6月掲載