環境庁選定国民保養地 鹿教湯(かけゆ)温泉。

鹿が傷を癒すために入っていた温泉の場所を
鹿に姿を変えた菩薩さまが猟師に教えたことで、
その名がついたと。

その伝説から湯治場として毎年何万人もの人々が
治療目的で訪れていたと聞くが、
景気が悪くなり、徐々に訪れる人が減り、
今ではピーク時の 3 分の 1 にまで、その数は減少。

そんな信州の山奥の温泉地で
三代続く和菓子屋さんが
かつての温泉街の活気を取り戻すために
全く新しいチャレンジをはじめられた
翁菓子舗外観OKINACOFFEE
翁珈琲

 

親子三代に渡り
信州上田で最中や饅頭を作り続けてきた和菓子屋さん
おきな菓子舗

翁饅頭と翁最中
翁最中と翁饅頭

保存料は一切使用せずに、味と鮮度にこだわっておられ、
賞味期限は4日と、とても短い。

一つ頂戴してみたところ、

手触りは適度にしっとりと、
少しチカラを入れるとゆっくりと沈み込むような感触、

つるんと滑らかな舌触りで口当たりの優しい薄皮、
その先には上品な甘みの小豆とこし餡がぎっしりと詰められており、

食レポが苦手な私も何かそれらしいコメントをしてみたくなるほどの
美味しさ。

また、温泉街での楽しみのひとつと言えば、お土産物屋さん。

おきな菓子舗には広々としたお土産物売り場も。

おきな菓子舗のお土産物売り場

見慣れないご当地物がたくさん並べられていて

お土産物売り場の写真2

旅に来たッ!! て感じがとてもする。

素敵なお土産物売り場 と 美味しいお菓子。

ただこの温泉街には以前のように沢山の人は来ない

この村にはもっともっと活気づいてほしい、

そんな思いから
何か新しいことをはじめたいと考えていた店主の生田さん

コーヒーがお好きでフィリピンの農園にまで足を運び、
高品質な豆を買い付けておられた。

フィリピン コーディリエラ

そして

三代続くおきな菓子舗の
約半分を大改装、

おきな菓子舗改装後の店内

ゆったりとした広さの

和モダン風なカフェコーナーを設け、

翁コーヒー 店内写真

通り沿いの大きなガラスの前「一等地」に選ばれたのが、

弊社の焙煎機 NOVO MARKⅡ。

焙煎機の写真

NOVO MARKⅡによる焙煎の様子はオープンテラスからも眺めることが出来る。

テラスから見える焙煎機

そして OKINA COFFEE OPEN。

オープン時のポスターチラシ

「ここで煎りたての美味しい珈琲を飲んで寛いで頂けるような
コミュニティースペースになればいいなと思っています。
あと、とにかく煎りたての美味しいコーヒーを皆さんに知っていただきたいので
焙煎体験も行って頂けるようにしています」と、生田さん。

以前から手網やフライパン、

手編み焙煎

小型焙煎機などで焙煎経験をお持ちの生田さん。

カフェプロという小型の焙煎機

ただしっかりとカフェをはじめるにあたっては、

ガスコンロで焼く小型の焙煎機

NOVO MARKⅡが必要だと、感じられた。

焙煎基NOVO MARK Ⅱ

「これまでにいろんな焙煎は試してきたけど
NOVO MARKⅡは他の焙煎機よりも小回りが効いて
焼けるのも早くて良いですね」と、有難いお言葉。

和菓子の仕込みでお忙しいところ、
息子さんにハンドドリップでオリジナルブレンドを淹れていただくことに。

生田さんの息子さんにハンドドリップをしていただく

和帽子姿でのドリップが新鮮。なんとも粋な感じ。

お洒落な陶器と珈琲

クラッカーにディップした餡子とコーヒーのマリアージュ。

餡子と珈琲のマリアージュ

優しい甘みの餡子が塩味の効いたクラッカーによって芳醇さが増し、
コクと深みのあるブレンドコーヒーにこれまたよく合います。

「コーヒーは饅頭と同じ感覚でやっています
饅頭の賞味期限は4日間、
コーヒーはそこまでではないものの、
新鮮で美味しいものをクチにしていただきたいんです」

美味しいコーヒーを頂き、それではと立ち上がった帰り際、
不思議なことを尋ねられた。

「ここの近くに出来た洋菓子屋さんのアップルパイもう食べられました?
そこのアップルパイがホント美味しくってみんなに紹介してるんです、
なんだったらそのアップルパイ食べながら、ウチでコーヒー飲んでって」

???

とてもお菓子屋さんの言うセリフではない。

和と洋は違えど、近くに同業者が現れたら普通、良い顔はしない。

でも、

近くに洋菓子屋さんが出来てくれたんです♪って ガチで喜んでおられる。

この村に新しくお店が出来てくれたって、心底喜んでおられる。

「生田さんがその洋菓子屋のオーナーでは?」と
一瞬でも勘ぐってしまった自分が恥ずかしい。

活気をなくしたこの温泉街をなんとか盛り上げたい

お店を大改装し、最新式の焙煎機まで導入した生田さんの心の中は
ホントにその一心なのだろう。

しあわせ地蔵

その気持ちと行動は確実に

周り近所の方から、

そして

全国の人々へと届くに違いない

焙煎したての珈琲の香りとともに。
ハンドドリップ写真

翁珈琲

写真・文責:東京ラボセンター 高島(ダイイチデンシ株式会社)
2016年12月掲載